多汗症とは
多汗症は、手のひら、足の裏、脇、顔、頭などに必要以上の汗が出て、日常生活に支障が生じる状態です。緊張した時だけでなく、特に理由がないのに汗が多く出ることもあり、仕事や学校生活、人前での不安につながることがあります。
多汗症には、手のひらや脇など特定の部位に強く出るものや、寝汗、のぼせを伴う顔や頭の発汗など、さまざまなタイプがあります。当院では、症状の出る部位や体質、背景に合わせて治療をご提案しています。
多汗症の主な種類
- 手のひらの多汗症(原発性手掌多汗症)
- 足の裏の多汗症
- 脇の多汗症(原発性腋窩多汗症)
- 寝汗(盗汗)
- 顔や頭の多汗症
汗の量が多いだけでなく、におい、べたつき、書類やスマートフォンが濡れる、靴の中が蒸れる、人前で気になるなど、生活の質に影響する場合には治療の対象になります。
手のひら・足の裏・脇の多汗症
手のひら、足の裏、脇の多汗症では、部位ごとの症状に合わせて治療を行います。当院では、漢方薬の内服治療に加えて、保険診療で使用できる塗り薬を組み合わせることがあります。
- 手のひらの多汗症(原発性手掌多汗症):アポハイドローション
- 脇の多汗症(原発性腋窩多汗症):エクロックゲル
汗の量や困りごとの程度に応じて、無理のない治療方針をご提案します。
寝汗について
寝ている間にパジャマやシーツがぐっしょり濡れるほど汗をかく場合は、寝汗が強い状態と考えられます。漢方では寝汗を「盗汗」と呼び、体質や体調の乱れとあわせて考えることがあります。
当院では、寝汗に対して漢方薬の内服治療を行っています。冷え、疲れやすさ、眠りの浅さなどを伴う場合も含めて、状態を確認しながら治療を進めます。
顔・頭の多汗症について
顔や頭の多汗症では、暑い時期や緊張時だけでなく、発作的なのぼせ(ホットフラッシュ)とともに、顔や頭、上半身にあふれるような汗が出ることがあります。特に更年期世代では、顔のほてりや発汗が日常生活の大きな負担になることがあります。
当院では、顔や頭の多汗症に対して、漢方薬による治療を行うほか、更年期障害が関係していると考えられる場合にはプラセンタ注射をご提案することがあります。45歳から60歳までは、条件により健康保険が適応になる場合があります。
プラセンタ注射について
当院では、健康保険適応のプラセンタ注射剤であるメルスモン注を使用しています。プラセンタ注射剤は、ヒト胎盤から抽出したエキスを用いた製剤です。
更年期障害にみられる顔面ののぼせ、顔や頭の異常な汗、疲労倦怠感、不眠、気分の落ち込み、肩こり、腰痛、冷え性など、さまざまな身体症状や不調の改善が期待できます。
1回につきメルスモン1アンプル(2ml)を皮下注射で接種します。
プラセンタ注射の健康保険適応
45歳以上60歳未満の女性で、簡略更年期指数(SMI)51以上の方が対象です。症状や年齢条件を確認したうえで、保険適応の可否をご案内します。
プラセンタ注射の副作用について
これまでプラセンタ注射剤の使用により、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染事例は報告されていませんが、ヒト由来製剤であるため、念のため一度でもプラセンタ注射を受けた方は献血ができません。
副作用として、悪寒、発熱、発疹、注射部位の痛みや赤みなどが起こることがあります。気になる症状がある場合は、医師へご相談ください。
更年期障害に対しては漢方薬も健康保険適応となりますので、注射に抵抗がある方もお気軽にご相談ください。
当院の多汗症治療について
多汗症の治療では、汗の出る部位や体質、年齢、生活背景を踏まえて治療法を選ぶことが大切です。当院では、塗り薬、漢方薬、必要に応じたプラセンタ注射などを組み合わせながら、患者様の症状に合わせて治療を行っています。
「汗の量が多いのは体質だから仕方ない」と思われがちですが、治療によって日常生活の負担を軽減できる場合があります。
このような方はご相談ください
- 手汗や脇汗が多く日常生活に支障がある
- 足の裏の汗が気になる
- 寝汗がひどい
- 顔や頭に大量の汗をかく
- 更年期ののぼせや発汗がつらい
- 人前に出ると汗が気になって困る
多汗症は、適切な治療によって症状の軽減が期待できます。汗のお悩みでお困りの方は、お気軽にご相談ください。