漢方治療について
当院は 漢方の専門医(一般社団法人日本東洋医学会認定) ではありますが、来院していただいたすべての患者様に必ず漢方治療を行うわけではありません。
皮膚科やアレルギーの西洋医学の治療のみで十分な効果が得られる場合には、漢方薬を治療手段として選びません。
一方で、慢性疾患や、検査をしても原因がはっきりしない治りにくい症状に対しては、漢方治療によって良好な治療効果が得られることもあります。漢方治療では、体質に合った漢方薬を服用することで、こころと体の両方に働きかける場合もあります。
当院では、患者様との対話を大切にし、丁寧な医療を心掛けています。わからないこと、話したいことがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
当院で漢方薬治療を選択する場合がある病気や症状
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アトピー性皮膚炎
汗に伴う症状悪化、異常な寝汗、睡眠障害、寒気などに使用することがあります。 -
ニキビ(痤瘡)
ニキビの部位、深さ、赤みの強さなどに合わせて選択します。 -
酒皶(しゅさ)や酒皶様皮膚炎
治療には長期間が必要となることがあります。 -
蕁麻疹
慢性蕁麻疹で、皮膚科標準治療のみでは効果が不十分な場合に選択することがあります。 -
打ち身
受傷直後であれば効果的な場合があります。 -
やけど
急性期の症状緩和に用いることがあります。 -
おでき・アテローマ(粉瘤)・蜂窩織炎など
排膿促進を目的に用いることがあります。 -
発汗異常
手のひら・足の裏・脇の多汗症、頭の多汗症、寝汗などに用いることがあります。 -
陰部・肛門周囲の症状
再発する 単純ヘルペス 、陰部痛、陰部や肛門のかゆみなどに用いることがあります。 -
帯状疱疹
急性期には抗ウイルス薬と併用し、帯状疱疹後の神経痛や瘢痕に対しても用いる場合があります。 - 治りにくい手足のいぼ
- しもやけ(凍瘡)
- 床ずれ(褥瘡)
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静脈うっ滞性皮膚炎
それに伴う足のつりなどに用いることがあります。 -
加齢による老化現象や日光老化、更年期障害
腕の皮下出血、頻尿、夜間中途覚醒、口内乾燥などに用いることがあります。
当院の漢方治療の考え方
これらの病気に漢方治療を行う場合、伝統的漢方の脈診・腹診・舌診といった古来の診断法が必要となる場合もありますが、多くの場合は皮膚の病態(皮疹)を分析することで、それに合った漢方エキス剤を漢方生薬の薬効から選択して治療を行うことができます。
当クリニックでは、 健康保険が使える医療用漢方エキス剤のみ を使用しています。煎じ薬による治療は行っておりません。皮膚科専門医、アレルギー専門医、漢方専門医の立場から、適切なアドバイスを行っております。
このようなお悩みに漢方治療が合う場合があります
年齢のせいか、腕を少しぶつけただけなのに赤黒い皮下出血が出て悩む方、夜間頻尿で夜中に何回も目が覚める方、口の中がやたらと乾く方、動悸がするものの心臓には問題がないと言われた方、寝ていて朝方に足がつって痛む方などには、漢方治療が合う場合があります。
また、更年期障害で顔や頭がのぼせたり、顔や頭に吹き出すような汗に悩む方には、プラセンタ注射(健康保険が使える場合もあります)や漢方治療が合う場合があります。
ただし、以上に挙げた病気や症状であっても、必ずしも漢方治療を行うわけではありません。西洋医学の治療のみで十分な効果が得られる場合には漢方薬は使用しません。また、漢方薬の味や粉薬が苦手な方、妊娠中の方、授乳中の方、他院ですでに漢方薬を処方されている方などには、漢方薬による治療を行わない場合があります。
研鑽について
当院では、皮膚科の漢方治療の研究・普及・発展を目的に活動している 東海皮膚科漢方研究会 に加入し、より良い皮膚病の漢方治療が行えるよう研鑽に努めております。
漢方薬の副作用について
漢方薬は「副作用が少ない」「副作用が弱い」というイメージを持たれることがありますが、副作用が出る場合もあります。以下に、服用期間によって注意すべき副作用の一部をご紹介します。
1. 短期間の服用で起こるもの
- 不眠
- 発汗過多
- 頻脈
葛根湯などの 麻黄 を含む漢方薬で起こることがあります。
2. ある程度服薬を続けると起こるもの
- 薬剤性肝障害
- 黄疸
- 腎臓障害
- 間質性肺炎
- 偽アルドステロン症
偽アルドステロン症は、 甘草 を含む漢方薬で起こることがあります。低カリウム血症、横紋筋融解症、脱力感などを引き起こす場合があります。
3. 1年以上の服用で起こることがあるもの
- 腸間膜静脈硬化症
山梔子 を含む漢方薬の服用で注意が必要です。