帯状疱疹とは?
帯状疱疹は、水ぼうそう(水痘)に罹ったことのある人や、水ぼうそう(水痘)ワクチンを接種した人に起こる皮膚および粘膜の小水疱、紅斑、び爛、潰瘍などの病変を主徴とする病気です。
つまり、水ぼうそうと帯状疱疹の原因ウイルスは同じもので、水痘-帯状疱疹ウイルスと呼ばれています。単純ヘルペスとは原因ウイルスが異なります。大半の患者さんが、神経の支配領域に一致して、しかも左右のどちらかに水ぶくれや赤みが認められ、神経痛様の痛みを伴うことが特徴です。
帯状疱疹の診断と治癒
典型例では診断は容易ですが、痛みのみがあり、はっきりとした赤みや水ぶくれが認められない場合ですと、診断に苦慮することもあります。概ね、3週間前後で治癒する予後良好な疾患ですが、後遺症として帯状疱疹後神経痛(PHN)や運動麻痺、瘢痕などを残す場合があり、特にPHNは何年も痛みが残って大変つらい状態が続くことがあります。
帯状疱疹の後遺症に注意
後遺症として帯状疱疹後神経痛(PHN)や運動麻痺、瘢痕などを残す場合があり、特にPHNは何年も痛みが残って大変辛い状態です。
当院の帯状疱疹の治療法
治療原則は、早期に診断して、急性期の疼痛を緩和し、皮膚症状の治癒を促進するとともに、早期に抗ウイルス剤を使用し帯状疱疹後神経痛(PHN)などの後遺症を残さないよう努めることです。診断がつき次第、抗ウイルス剤の使用を開始しますが、10~20歳代の患者さんの場合、帯状疱疹後神経痛(PHN)などの後遺症は残りにくいことから、疼痛や皮膚症状の軽い場合には、必ずしも抗ウイルス剤の使用は必要でないこともあります。
漢方薬と非ステロイド性消炎鎮痛剤
漢方薬は、水疱のひどい急性期や帯状疱疹後神経痛やその予防目的で用います。急性期の帯状疱疹の疼痛に対しては、非ステロイド性消炎鎮痛剤の投与が一般的で、しかも速効性がありますが、高齢者の場合、帯状疱疹局所の熱を過度に除去することを避けた方が良いこともありますし、抗ウイルス剤と消炎鎮痛剤の併用により腎臓を痛める場合もあることに注意が必要です。